お庭づくり関東園
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豊中市H様邸 

「庭木を一本植えてほしい。」とのご依頼でした。
そこからお話を聞いてみると、本格的な和風のお庭を希望とのことで、新築から2年間手つかずだったお庭のリガーデンをお手伝いさせて頂きました。
こだわりをお持ちのH様、 庭石や庭木選び、いろいろとご一緒して頂きました。
和風庭

ブロック塀を隠す為、焼き杉で覆い、上部の笠木はいちばん雨ざらしになる部分なので、
ウッドデッキに使うウリンを焼き杉に合うよう加工して使用。
又、焼き杉の壁に合うよう控え柱には延石を使用しました。

和風なお庭

沓脱石には本御影石を使用し
飛び石を据え付け苔を植えました

織部燈籠・丹波鞍馬の水鉢はH様がご自身で選ばれました。
蹲踞(つくばい)は、茶庭には欠かせないもので、水があることでお庭に潤いをもたらす効果もあります。

和風なお庭

お部屋の中から見たお庭です。ゆったりとした時間が過ごせそう(^^)

H様より・・
・良かった点
樹を一本植えるのをお願いしようと思った所から、まさかの庭全体の造園となりました。
プランを決定するまで多少時間がかかりましたが、いろいろと提案して頂いたり、無理なお願いも快く引き受けて頂いたりと結果、満足のいくお庭を作って頂く事ができました。
何より、末長くお付き合いできる業者さんに出会えたのが本当に良かったと思います。

(お客様アンケートより)
こちらこそ大変お世話になりました。 これだけ本格的な茶庭になるとは僕自身も思っていませんでしたが、H様のお庭に対する思いを聞くうちに 「中途半端なことはできない」と思うようになりました。 特に茶庭は僕の原点です。若かりし頃の京都時代の僕に負けないように精一杯作らせて頂きました。これからも末長くお付き合いよろしくお願いします。

これより下、少し濃いお話です。 ご興味のある方どうぞ↓
焼き杉

庭木一本の依頼の電話かから始まりました。
お話を聞いてみると、「以前よりお庭を作りたい」と思ってはいたものの、どうしてよいかわからず時間が経っていました。 「どんなお庭がお好みですか」と伺いますと、「和」の庭が良いとのことでした。 それならと、少し斬新な蹲踞の提案などしてみましたが、打ち合わせを重ねるうちに「本格的な和風庭園」、それも茶庭を望んでおられるということがわかりました。偶然にも僕もお茶(表千家)を習い始めたばかりで、H様も茶道をたしなんでおられ、そのようなお庭を望んでおられたのです。そこで、 目先を変える、小手先のアイデアなどではダメだな・・・と気合を入れなおしました。 そうなるとまずはこのブロック塀を何とかしなくては・・・ 実は奥行は3m程度で、かなりブロック塀が迫っている感じでした。 焼き杉や竹垣、左官等いろいろな提案をしましたが、最終的に焼き杉になりました。

ウリン笠木

よく質問されるのは「どのくらい持ちますか?」ということなのですが、土際や水をためるような場所以外はそんなに早くには腐りません。 もちろん人工の竹垣等に比べると、いずれは腐りますし色も落ちますが、それ以上に自然な風合いがもたらす効果は、 アルミやプラスチックには絶対に表現できるものではありません。 水をためやすい上部は、ウリン材の笠木を焼いて据え付けることによって防ぐことにしました。

しかしもう一つの問題が・・・土際をどのように処理をするか? 当初は簡単に済ませようとしていたのですが、やはりH様の想いに応えるべくしっかりしたものを作るべきだと考えたのが、御影石の腰積みです。 これは当社で在庫してあった、400×900サイズのサビ御影石の板石を、裏側を向けて施工しました。 こうすることによって、割り肌の面が出てきて、しかも新品ではないため、落ち着いた色合いで違和感なくなじませることが出来ました。 御影石

それでも難問は続きます。 ブロック塀の控え柱です。 これも当初は杉板で囲んでしまおうと考えていたのですが、どうしても取ってつけた感じが残ると思いましたので、何かないか・・・と考えました。 (本当に考えるのに時間がかかるのです。) で、難産の末に思いついたのが石の控え柱です。昔ながらの工法でもありますし、何より見た目の美しさ、いかにも隠しました!とならないのが素晴らしいです。 でも、中国産の延べ石ではせっかくのプランも台無しになると思い、国産の古材の延べ石を使用することにしました。 しかし、厚みも幅も中国産とは全く違いまして、重たい!大きい! でも、このこなれた表情は最高です。 後はブロック塀に沿うようにこの石を加工します。石の加工はたいへんなのですが、昔の人は”すごい”といつも感心します。 仕上がりは抜群だ~。こうして出来上がった塀がお庭を格段に引き立ててくれます。もしこれが既存のブロック塀のままなら・・・。感動は半分以下の気がします。

石控え柱石控え柱

次はこのお庭の一番の顔です。蹲踞と織部燈籠です。
いつもお客様にお伝えしていることなのですが、良いものを使いたい。良い物とは何か?、 良い庭とは何か?のお話になるのですが、時間が経って味わい深くなるお庭が良いお庭だと考えております。そのためには織部燈籠は中国産の物は使いたくありません。どんなに時間が経とうとも味わいは増してゆきません。ならば国産燈籠が欲しくなるのですが、中国産の5~10倍くらいはするでしょうか?高いです。しかもお墓のようにピッカピカ。ならば国産の古燈籠を探そう!骨董的な価値のある古燈籠は本当に素晴らしいのですが、金額がこれまた非常に高い!燈籠さがしだから、そこそこの金額でこなれた、味わいのある燈籠を探すことにしました。でもそんなに簡単には出てきませんね・・・


手水鉢も一緒で、なかなか出てこないものすが、どちらも候補を決めて着工を待っていました。実はお話を頂いてから着工までは、1年くらいかかっておりましたので、その間に奇跡が起きました。なんと織部燈籠も手水鉢もこの1年の間に当社で新たに入手することのできた品物が、あれだけ探して「仕方ないからこれにしておこう」が「これが最高!」というものに巡り合えました。それがこれ。燈籠100年は経ってると思います。手水鉢は丹波鞍馬。いい色です。

杉苔は京都の資材屋さんで調達しました。一口に杉苔と言ってもいろいろあるんです。樹木は茶庭らしく、ひっそりと風にそよぐようなものを中心に選びました。そうそう沓脱石は本御影石を使用しました。サイズもピッタリですし、本御影の優しい肌や色合いもいい感じです。当然、飛び石もホームセンターなどにある中国産ではなく国産の古材を使用。

竹照明和庭夜

照明も実際に夜に伺わせて頂きH様に確認して頂きながら、施工させて頂きました。これは自作、竹の照明。素材選びからとことんこだわって作庭させていただいたおかげで、H様にも喜んで頂き、僕自身も納得できるお庭になりました。本当に時間が経つのが楽しみなお庭です。



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